社殿様式「神明造」は伊勢神宮に代表されるもの。
その神明造の建築物で日本唯一の国宝が、実は伊勢神宮ではないことをご存知でしょうか?
その神社とは…長野県大町市にある仁科神明宮です。
しかも国宝になった理由が何故か資金難だったから、というのが面白いです。
加えてここ仁科神明宮は、あの「犬神家の一族」のロケ地にもなったことのある神社でもあるのです。
2008年8月1日
長野県大町市
仁科神明宮へのアクセス
仁科神明宮は長野自動車道安曇野ICから車で約30分の距離にあります。
この一ノ鳥居をそのまま車で通り抜けてしばらくすると…
大きな駐車場が見えてきますのでここで車をとめて境内に入りましょう。
そしてここから参道を歩いていくわけですが、仁科神明宮の境内はそれほど大きくないので参拝に要する時間も少なめです。
仁科神明宮は別名「信州那須神社」
実は別名の「信州那須神社」というのは映画の中でのみ使われた名称です。
実はここ仁科神明宮はあの有名な映画、1976年公開の犬神家の一族のロケ地となった場所なのです。
映画を見たことのある方なら、この風景に見覚えがあるかもしれません。
この参道を金田一耕助が歩いていくシーンがありますから。
他に映画「犬神家の一族」で出てきたのはこの三本杉ですね。
ほひょ
映画では三本杉の倒伏前の立派な姿を確認することが出来ます。
この神門と拝殿の奥に国宝の本殿があるわけです。
嫁
仁科神明宮【本殿】は何故国宝なのか
こちらが国宝【仁科神明宮】本殿で、神明造の建築物としては日本で唯一の国宝です。
仁科神明宮は伊勢神宮と同じように20年毎に社殿を建て替える式年遷宮を行っていました。
よって古い社殿は残らないはずなのです。
なのに何故仁科神明宮の本殿は国宝で「最古の神明造」なのでしょうか?
少し歴史をさかのぼってみましょう。
この地方の支配者仁科氏は、400年の間仁科神明宮に奉仕し式年遷宮を行ってきました。
ところが…
- 仁科氏は天正10年に滅亡してしまう。
- その後は松本藩が仁科神明宮の神事を引き継ぐ。
- しかし寛永13年(1636年)から資金難に陥る。
- そして建て替えを取りやめて修繕のみとしてしまった。
こうして神明造の本殿としては最も古い江戸時代初期のものとして、今現在に至り国宝となったわけです。
ほひょ
本殿以外の見どころ「国重要文化財がある」
時間があれば遷宮関連の国重要文化財が展示されている宝物収蔵庫も見てみましょう。
右写真の棟札です。
このように600年もの長い間1度も遷宮を欠かすことなく奉仕し記録を残してきたことは前例がないんですって。
最後に:次回の式年遷宮は平成31年
仁科神明宮は…
- 神明造の建築物としては日本で唯一の国宝
- 映画「犬神家の一族」のロケ地であった
是非とも訪れたい素晴らしい神社ですね。
そして次回の式年遷宮である平成31年に、再度参拝してみたいと思うのでありました。
爺様の故郷。
綺麗な写真を有難う。
御祖父様の生まれ故郷なのですね。写真は10年近く前に撮ったもので、ちょっとボヤけていたりもするのですが、お褒め頂き嬉しく思います。
再来年の式年遷宮の年には是非再訪したく思っております。