この罰当たり者がっ!
…違います、回していいんです。
ほひょ
日本で唯一とも言われている、回転する願懸け高麗犬がある「港稲荷神社」に行ってきました。
2007年7月22日
新潟県新潟市
前代未聞!高麗犬を回すようになった理由とは?
願い事を念じながら回せばそれが叶うと言われているこの高麗犬、一応回すルールがあります。
女性は向かって左の高麗犬を回します。
男性は向かって右の高麗犬を回すのです。
しかしそれにしてもどうして高麗犬を回すようになったのでしょう?
これは新潟港の歴史を少し知る必要があります。
和船の出入りで新潟港が賑わっていた頃、この周辺は日本有数の遊郭であったそうです。
港に入る船の船乗りはそこで遊び、遊女に送られて船に帰ったとか。
遊郭の遊女達は毎夜船乗り達が遊びに来てくれることを願ってました。
だから船乗りたちにはずっと出港してほしくなかったわけです。
そこで遊女たちは夜中にひそかに油揚げを持って湊稲荷神社へ行き、高麗犬を回して西の方角に向けたそう。
- 西風が吹いて港口が荒れる。
- 船が出港出来なくなる。
- 再び船乗りが遊びに来てくれる。
ほひょ
それから高麗犬は頻繁に回されて軸の磨耗が激しく、半年に一回の割合で修理されるそうです。
逆風祈願は全国的にも珍しい
また湊稲荷神社は道楽稲荷とも呼ばれており、この通称はこうした遊女達の願懸けの信仰からきたものだそうです。
他の港では、縄でしばったり腰巻を巻くなどして尊像を怒らせて逆風を吹かせるみたいですよ。
ほひょ
なお航海に関する逆風祈願の例は下記の三例のみと言われているそうです。
- 腰巻き地蔵
石川県羽咋郡(はくいぐん)志賀町福浦港
- しばり地蔵
宮城県塩釜市寒風沢(さぶさわ)日和山展望台
- 草鞋かけ不動
島根県隠岐島西郷港
港稲荷神社「御祭神」とその由来
湊稲荷神社の主祭神は、
その他に…
- 大己貴神(おおなむちのかみ)
- 天鈿女命(あめのうずめみこと)
- 保食神(うけもちのかみ)
- 太田神(おおたのかみ)
の四柱を合祀しています。
湊稲荷神社御祭神の解説 | |
宇迦之御魂神 | 伏見稲荷大社の主祭神 五穀豊穣・事業繁栄の神 |
大己貴命 | 出雲大社の主祭神 縁結び・安産・就職・受験合格の神 |
天鈿女命 | 天照大御神の天岩戸隠れで舞を踊った神 舞踊・芸能・習い事の女神 |
保食神 | 食物神 |
太田神 | 五穀豊穣の神 土地の地主神 |
それからここ湊稲荷神社は、1716年(享保元年)に米沢より遷座し建立したとのこと。
新潟沖を通る船は湊稲荷神社の森を目印に航路を進んだそうです。
そんなことからも海上安全を祈願する神社として、海運業者や漁業者の信仰を集めているのですね。
今現在の高麗犬は二代目
現在の高麗犬(こまいぬ)は二代目のものだそうで、実は初代高麗犬はだれかのいたずらで境内の前に流れていた堀に落とされ、そのまま埋められてしまったとのことです。
ほひょ
それとも、思いっきり回したらはずみで落ちてしまい、
とそのままにして逃げていった?のかもしれませんね。
最後に:湊稲荷神社は高麗犬だけではありません
ここ湊稲荷神社の境内はそれほど大きなものではありませんが、他にも見どころに加えやっておきたいものがいくつかあります。
ほひょ
もちろん境内社もありますので、興味の有る方はこちらの記事をご覧になってください。
回転する高麗犬(こまいぬ)で有名な【湊稲荷神社】の駐車場や他の見どころは? 回転する高麗犬(こまいぬ)で有名な【湊稲荷神社】の駐車場や他の見どころについて